サッカー日本代表 サムライブルー ユニフォーム 背番号「17」 長谷部誠
以降、アルベルト・ザッケローニ、ハビエル・アギーレ、ヴァイッド・ハリルホジッチ、西野朗と4人の指揮官が日本代表を率いてきたが、長谷部はどの監督からも信頼を寄せられ、常にキャプテンとしてチームの中心にいた。
その生真面目な性格から代表チーム内ではいつしか「真面目=長谷部」のイメージが定着。チームメートたちは「真面目すぎる」ことを揶揄する時に「長谷部か!」というフレーズを好んで使い、そのイメージはファンの間にも広く知られるようになった。
2011年3月に出版された自己啓発本『心を整える。』は、サッカーファンだけでなく多くの人々から指示を得てミリオンセラーを記録。その印税を同月に発生した東日本大震災の支援のために全額寄付したことも、長谷部の人柄を表すエピソードだろう。
チームメートとして長年ともに戦ってきた吉田麻也は、長谷部の引退について聞かれると「本当に素晴らしいキャプテンで…」と言葉を詰まらせ、目を赤くした。「7年半、彼と一緒にやってきましたけど、あれだけチームの事を考えてプレーする選手は少ない。彼から学ぶことはたくさんあった」
キャプテンとして振る舞い続けることには苦しさもあった。それでも長谷部は「それ以上に誇りがありました。そっちのほうが大きかった」と話す。「プレーヤーとしてだけじゃなく、人間としても多くのものを与えてくれた。一人の人間として成長させてもらった」
監督、チームメート、そしてファンから愛された「生まれながらのリーダー」は、最後に自らの意思を継ぐ後輩たちにエールを送った。「今回のW杯は“自分たちがやらなきゃいけない”ということを選手たちが感じて作り上げた戦いでした。これは日本代表のベースになる。そういうものを若い選手たちが引き継いでくれると思っています」